2022/01/05
看護学科 社会貢献

本学看護学科第3学年の学生5名が、八王子医療センターでの臨地実習の帰路に、バス車内で救護活動にあたりました

 2021年10月、本学看護学科第3学年の学生5名が八王子医療センターでの臨地実習の帰路に、バス車内で救護活動にあたりました。本学では、第3学年後期に7つの看護領域の実習を各2週間ずつ計14週間ローテーションで実習を行っています。今回対応にあたった学生は、ちょうど母性看護学の実習(看護展開実習Ⅳ(母性))のため、八王子医療センター産科病棟で実習しており、その帰路に救護が必要な場面に遭遇しました。対応した学生から、その当時の状況報告ならびにコメントが届きましたので、紹介します。

対応状況報告
 10月、東京医科大学八王子医療センターでの実習を終えた帰りのバスの中で女子高生を救護しました。
 私たちが降り終わったバスの中が騒然としていたため戻ると、女子高生が痙攣して倒れていました。意識障害があったため回復体位に体勢を整え、意識レベルの観察とバイタルサイン測定を実施しました(実習の帰りだったためバイタルサイン測定の必要物品は揃っていました)。その後全身の状態観察を行い、救急隊が到着するまでの間、声をかけつつ全身の状態の経時的変化を随時評価していきました。また手を握りながら声をかけることで、少しでも安心感を与えられるような関わりが出来ました。
 この一連の流れはグループで協働して取り組みました。具体的にはバスの運転手にバスを動かさないよう説明する、119番通報する、女子高生のリュックに入っていた紙に載っている保護者の緊急連絡先と彼女の病名から保護者への連絡と病名を検索して緊急時の対応を調べるなど、それぞれが自分に今できることを把握し、冷静さを保ちながらその状況で出来るケアを最大限行えたと思います。また救急隊へも状態観察の結果と意識レベルの変移を引き継ぐことが出来ました。
 倒れた女子高生はヘルプマークを付けており座れなかったことが一因となり体調が悪くなったと考えます。今後公共交通機関を利用する際は一見相手が元気そうに見えてもヘルプマークの有無を意識的に確認し、気遣いの心を忘れずに生活していこうと思うきっかけとなりました。(金城合声)

対応した学生のコメント
 救助することは勿論倒れている人を目の当たりにすること自体初めてでしたが、意外と冷静さを保ちながら知識や技術を最大限活かしてバイタルサイン測定や全身の状態観察などを行えました。また病院実習で看護師が患者さんの手を握って患者さんに寄り添った声かけをしていたことを思い出し私も実際に行えましたが、一方で倒れた女子高生に対して知識や技術が不足している私たちが救助することへの申し訳なさもありました。今回の経験を通して医療従事者の責任の重さや役割を再確認したため今後も勉学に励んでいこうと思っております。(金城合声)


 周りの方々から賞賛していただいたことはとても光栄に思いますが、バイタルサインを測った後は救急車が到着するまで声をかける以外何も出来なかった自分に、とても無力さを感じました。ですが、病院以外の場でも想像以上に医療者が必要とされている、信頼されていることを肌で感じることができました。この貴重な経験を活かして、対象者やまたその周囲を安心させられるようなケアを実践できるように、日々学んでいきたいと思っております。(山田杏奈)


 看護学生の身ではありますが、1人の医療者として「助けなきゃ」という強い思いからその場にいた学生を引き止めて、行動することができました。今までこのような場面には遭遇したことがなかったので、いざ実践となると焦りや緊張から手が震えました。しかし、日頃から積み重ねてきた知識を活用することで混乱しながらも最後まで対応することができました。今回あったことを忘れずに、これからも勉学に励んで行こうと思います。(丸田ひかり)


 私は、これまで公共の場で体調の悪くなった方や倒れた方に遭遇するという経験がありませんでした。ですから、今回そのような場に居合わせたことに私自身、何をすればよいのか分からず少し戸惑いがありました。救助と言っても、実際私は脈の測定とタオルを体にかけることしか行えませんでした。振り返ると、私が救出の力となれた部分はわずかだったけれども、少しでも力添えができたことはよかったと感じています。(島村菜穂)


 目の前で人が倒れたのは初めてのことで驚きましたが、バスに同乗していた方々や、実習のグループメンバーと協力して救助活動を行うことができました。助かってほしい一心で、声をかけ続けました。倒れた人を前に、どのような措置をとるかによって人の生死が決まると思うと、医療者の責任の重さを実感しました。また、このような場面に合ったら、一人でも積極的に動ける人になろうと思う機会になりました。(中内光)

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