理事長挨拶

理事長就任に当たって

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理事長?矢﨑 義雄

 この度理事会の信任を頂き、本学の理事長に再任することとなりましたことから、改めてご挨拶を申し上げるとともに、東京医科大学の更なる発展を目指して努めていく所存ですので、宜しくお願い致します。

 平成の終わりに明らかとなった、入試に関わる不祥事と、法人と教学のトップである理事長、学長がともに贈収賄で訴追されるという本学の根幹を揺るがす衝撃的な事件が発生し、本学が最も大切にしている社会からの信頼を失い、私立大学等経常費補助金の2年間にわたる全額不交付及び大学の機関別認証の取り消しなどの厳しい処分を受け、本学の存続も危ぶまれる事態に直面しました。

 その非常時の事態に的確に対応するために、学外の出身ではあるが、本学とご縁のあった私が依頼を受けて理事長に就任いたしました。


 そのような中で、外部理事を含めた理事会のご賛同を得て、的確な再発防止策が策定され実施することが出来ました。そして、入試の公平性を担保した徹底的な改革も、林学長のリーダーシップの下で実施されました。このように、大学運営の透明性の確保とガバナンスが強化されたことにより、社会からの信頼を徐々に取り戻し、経常費補助金も段階的に回復し、本学への受験者数も回復して参りました。さらに、取り消された大学基準協会による機関別認証も再認証を受けることも出来ました。これらの成果は、ご尽力を頂いた理事、監事そして評議員の皆様の賜物として厚く感謝申し上げる次第です。

 そこで、かねてから懸案であった本校にある4キャンパス(西新宿キャンパス、新宿キャンパス、茨城医療センター及び八王子医療センター)の施設整備の計画を漸く検討することが可能となりました。今日まで全体を俯瞰的な視点からとらえて検討する体制が整えられておらず、整備計画のバランスが取れていなかったのではと思っています。それを踏まえて、施設設備の整備計画に財政的な観点を加えて全学的な意見を集約して検討する将来構想統括会議を立ち上げ、具体的な全体計画の検討を始めました。

 そこではまず始めに、懸案の第一研究教育棟と保育所の愛育園を統合して新築する共同ビル(仮称)について、具体的な利用計画に基づいた基本設計から実施設計へと着実に進行することが出来ました。

 一方、新宿キャンパスの施設は老朽化が進み、学生の学習や教員の教育研究活動を推進するためにも、校舎、施設の整備と充実が早急に必要となっています。そして、八王子医療センターの新棟建設及び茨城医療センターの整備も踏まえて、財政的にいかに実現するか鋭意検討中です。

 また、2年余の新型コロナ感染症への対応に際しても、3病院及び教学の皆様がそれぞれの立場で全力を尽くされたことにより難関を乗り越えることが出来ました。本学組織の底力が存分に発揮されたことと深く感銘を受けた次第です。

 このように、難局に直面して強化された本学のガバナンス改革の精神が、本学の次世代に引き継がれ、盤石な体制になるとともに、本学の更なる発展を目指して努めたく存じておりまので、何卒よろしくお願い申し上げます。

学校法人 東京医科大学

理事長?矢﨑 義雄

矢﨑 義雄(やざき よしお)
1938年6月15日(84才)

【学歴】

1963年 東京大学医学部 卒業

1970年 冠循環と心筋代謝のテーマで医学博士取得

1971年 米国ハーバード大学(Beth Israel Hospital)およびタフツ大学

    (New England Medical Center)に留学


【職歴】

1991年 東京大学医学部 教授

1995年 東京大学 医学部長 併任

1999年 国立国際医療センター 病院長

2000年 国立国際医療センター 総長

2004年 独立行政法人国立病院機構 理事長

2012年 国際医療福祉大学 総長

2018年 公益財団法人日本心臓血圧研究振興会 理事長

2010年 学校法人東京医科大学 評議員

2018年 学校法人東京医科大学 理事

2018年 学校法人東京医科大学 理事長


【受賞】

2000年 紫綬褒章

2014年 瑞宝大綬章

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