2018/11/07
医学科

【医学科】平成29年度および30年度入学試験不正への対応について

2018年11月7日

学校法人東京医科大学

平成29年度および平成30年度入学試験不正への対応について


 現在本学では、入学試験における合格者選定における本学による問題行為について、平成30年度医学科入学試験から過去に遡り、事実調査および原因の究明ならびに必要な改善提案をいただくことを目的とした第三者委員会を設置しております。

 この度、同委員会による「第一次調査報告書(平成29年度及び平成30年度入試の検証報告と是正措置の提言)」(第一次報告書)を受けました。同委員会による新合格者選定名簿に基づき、追加合否判定を実施いたしますこと等につきまして、以下ご報告いたします。

1. 第一次報告書における提言の要点

① 平成29年度および平成30年度の一般入試およびセンター試験利用入試の第2次試験ならびに推薦入試につき、速やかに入試委員会を開催し、属性調整および個別調整がなかった原状に復した新合格者選定名簿をもって追加合否判定を実施し、その結果を公表すること。

② 上記①により追加合格と判定された者のうち、少なくとも平成30年度入試の追加合格者に対しては、平成31年度の東京医大が指定する入学日に入学することを申込みうる地位を認めること。併せて追加合格者からの補償等の請求があった場合には、誠実に対応すること。

③ 平成29年度および平成30年度の一般入試に関して、速やかに入試委員会を開催し、個別調整がなかった原状に復した新合格者選定名簿をもって、第1次試験の追加合否判定を実施し、その結果を公表すること。また、この追加合否判定により新たに第1次試験合格と判定された者からの補償等の請求があった場合には、誠実に対応すること。

2. 東京医科大学による合否の再判定

(1)体制整備(入学試験選考委員会規定の変更と新入試委員会の立ち上げ)

 従来の入学試験選考委員会(入試委員会)は、学長、副学長などの大学の執行部を中心とした委員で構成されていましたが、入試の実施および合否判定における執行部からの独立性を高めるため、入試委員の選考規定を見直し、入試委員は執行部以外の者から選任されることにいたしました。

 その結果、入試委員会は、教授会から選出された基礎?社会医学系の教授2名、臨床系の教授2名の他一般教育の教授2名の計6名から構成されるものとなり、この構成による入試委員会(新入試委員会)を2018年10月に立ち上げました。

 なお、平成31年度入試も、新入試委員会が担当いたします。

(2)合否再判定

 新入試委員会は、新合格者選定名簿に基づき、以下のように追加合否判定を実施いたします。なお、合否判定の際には、受験生の属性(性別および性別を推測させ得る姓名、出身校等の情報、卒業年数、経歴等)を一切考慮しないものとするべく、属性を不記載とした資料を用いました。

① 一般入試について

1) 第1次試験の合否の再判定

 第1次試験の合否の再判定を実施した結果、平成29年度および平成30年度一般入試の第1次試験における追加合格者はいませんでした。

 これは、第1次試験では属性調整がなく、新合格者選定名簿において、復元前の成績よりも高い点数となった方がいなかったためです。

2) 第2次試験の合否の再判定

 第1次試験の学力試験成績と第2次試験の小論文の合計点数に基づき、成績上位者から順位を決定いたしました。この際、適性検査、または面接の評価で基準を満たさない場合は成績にかかわらず不合格といたしました。

 本学一般入試においては、合格者が入学辞退をすることが多々あることから、正規合格者(募集人員の75名)のみならず、募集人員に満つるまで繰上合格を実施していますので、この度の再判定においても、本学への入学意思について意向を確認し(下記(3)参照)、募集人員に満つるまで合格者といたします。

 この際、平成29年度?平成30年度入試当時で繰上合格となった最低順位(平成29年度一般入試:146位、平成30年度一般入試:226位)よりも上位となる当時不合格とされた方について、意向確認の対象といたします。

② センター試験利用入試の合否の再判定

 上記①記載の一般入試と同様に、第1次試験(センター試験)の成績と第2次試験の小論文の合計点数に基づき、成績上位者から順位を決定いたしました。この際、適性検査、または面接の評価で基準を満たさない場合は成績にかかわらず不合格といたしました。

 センター試験利用入試におきましても、一般入試と同様に、正規合格者(募集人員の15名)のみならず、募集人員に満つるまで繰上合格を実施していますので、この度の再判定においても、本学への入学意思について意向を確認し(下記(3)参照)、募集人員に満つるまで合格者といたします。

 この際、平成29年度?平成30年度入試当時の繰上合格となった最低順位(平成29年度センター試験利用入試:82位、平成30年度センター試験利用入試:80位)よりも上位となる当時不合格とされた方について、意向確認の対象といたします。

③ 推薦入試の合否の再判定

 基礎学力検査、書類審査、小論文、面接の合計点数に基づき、成績上位者から合格者を判定することにいたしました。

 なお、推薦入試につきましては、合格者が本学への入学を辞退することを想定しておりませんので、上記①②記載の一般入試?センター試験利用入試と異なり、当時の合格者数のみを合格者と再判定します。

(3)追加合格者の決定方法

 一般入試およびセンター試験利用入試につきましては、上記(2)①2)および同②記載のとおり、平成29年度?平成30年度入試当時で繰上合格となった最低順位よりも上位となる当時不合格とされた方について、本学への入学意思につき意向確認を実施します。

 意向確認の対象となる方につきましては、受験時に登録された連絡先にご案内をさせていただきます。

 ご案内を差し上げた方には、大変恐縮でございますが、本年11月30日(金)までに入学意思の有無を表明していただきます。その上で、成績上位者から、当時不合格者で今般入学意思を有する方とそれぞれの年度の入試に合格し、実際に本学に入学した在校生をあわせてカウントし、募集人員に満つるまでを合格者といたします【別添1参照】

 このため、意向確認のご案内をさせていただいた方につきましても、募集人員に達した場合には、不合格となる可能性がありますので、この点、ご承知おきください。

 今回、意向確認のご案内をさせていただいた方(意向確認対象者)は合計101名になります。仮に、意向確認対象者の全員が入学意思を表明した場合、追加入学者の予測値は合計63名となります【別添2参照】

 合否の結果につきましては、12月上旬までに個別にご連絡させていただきます。なお、入学手続期間は、平成31年2月を予定しております。

3. 追加入学について

 平成29年度および平成30年度、2年間の入試再判定において合格者となった方のうち、当時不合格者であって、今般、入学意思を表明していただいた方(追加入学者)につきましては、本学医学部医学科に平成31年度第1学年として入学していただきます。

 具体的な入学手続につきましては、再度、ご案内させていただきます。

4.平成31年度入試について

 平成31年度一般入試およびセンター試験利用入試におきましては、平成29年度および平成30年度の追加入学者の人数を差し引いた人数を募集人員とさせていただきます。募集人員が確定次第、ホームページ等でお知らせいたします。

 なお、平成31年度入試において公正性?公平性を確保するために、以下の対応策を講じることを予定しております。

(1)入試委員会の独立性の確保(入試委員選考規定の改定)

(2)入試関連業務の環境改善(データ入力の際の監視等)

(3)外部の有識者による入試の監査

5. 今後について

 第三者委員会では、引き続き、平成25年度から平成28年度の医学科入試、および、平成25年度から平成30年度までの看護学科入試についても調査を実施しています。また、入試における問題行為、不正の原因等の調査や再発防止策の検討も実施しています。

 本学では、これらの調査等の結果報告を受領次第、速やかに公表いたします。

▼平成29年度および平成30年度入学試験不正への対応について(本文)
▼平成29年度および平成30年度入学試験不正への対応について(参考スライド)
▼【別添1】説明用サンプル
▼【別添2】平成29?30年度入試 意向確認対象者の内訳

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