2023/07/24

高校生の「総合的な探求学習による学校訪問」受け入れ実施

 2023年7月6日(木)に、大学病院シミュレーションセンター 冷水育 助教、救命救急センター 内田康太郎 講師、小児科?思春期科 呉宗憲 講師の協力のもと、福島県郡山市の尚志高等学校2年生5名が来訪し、総合的な探求学習による学校訪問の受け入れを実施しました。

 同校の普通科特別進学コースでは、総合的な探求学習の一環で、大学?企業への訪問を通して、理解の深化や、興味関心の幅を広げたりすることを目的として、大学および企業への訪問を企画しており、医学科を中心に見学し、知見を深めるため訪問したいと申し入れがありました。

 当日は、まず教育研究棟(自主自学館)シミュレーションセンターにて、冷水先生?内田先生の指導のもと応急処置の体験学習を実施しました。その後会議室に移動し、呉先生より「スマートフォンを使用することによる脳への影響について」と題した講義を行いました。

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高機能シミュレータで心臓マッサージをする様子
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傘とバンダナなど身近なものを利用して骨折の応急処置をする様子
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呉先生の講義を聞く生徒さんたち

体験学習担当:冷水育先生からのコメント

 今回は、高校生ということで進学や職業選択に対して、少しビジョンが明確になってきているなという印象を受けました。皆さん、積極的に体験しており心肺蘇生やAEDの使用等など初めての体験ばかりだったようです。胸骨圧迫の体験では「けっこう力がいる。」「疲れるから長い時間は無理かも...」といった素直な感想がみられました。効果的な胸骨圧迫と迅速なAEDによって、心臓が止まっていた人が歩いて帰れるようになるまで元気になる可能性があることを説明すると、「すごい」と感嘆していました。体験終了後は「楽しかった~」「写真撮ってもいいですか?」と興奮冷めやらぬ様子で、シミュレータと一緒にみんなで記念撮影しました。皆さん、東京医科大学でお待ちしております!!


講義担当:呉宗憲先生からのコメント

 「スマホは脳に悪い」を前提とした各論的な事前質問と、その概説の講義依頼をいただきました。ネット記事で興味を持ち、自制に活かすことが目的とのことでした。このように大変真面目で学業的にも優れている学生だからこそ、センセーショナルで安易な結論を用いて、ご都合主義的に誘導することは避けなければという想いが私の中に生じました。
 そこで、科学としての正当な手続きや、統計が意味するもの、交絡因子などの解説を通し、情報の読み取り方を学んでいただいたうえで、「ネット記事」と「各国際学会の提言」などを対比しながら見直す、ひとつ上のレベルの「ワーク」としての講義をすることにいたしました。短い時間ではありましたが、学生らは真摯に耳を傾け、頷いたり、驚いたり、笑ったり、とてもよく学び、感じてくれたように見えました。
 習得した、あるいはこれから習得する「知識」により社会で活躍するであろう彼らに、知識の「使い方」こそが大事であることをメッセージとして送り、講義を締めさせていただきました。僅かながら関わらせていただいた大人のひとりとして、彼らの未来を楽しみにしております。

<参加した生徒からのコメント>

 先日はお忙しい中、貴重な体験をさせていただきありがとうございました。
 高機能シュミレータを使って、通常の脈拍や呼吸はもちろん、血圧や不整脈、乱れた呼吸も実際に使われている聴診器で測定することができて感激しました。テレビでよく見る医療ドラマの世界が実際に広がっていて、将来、医療に関わりたい思いが強くなりました。
 また、胸骨圧迫やAEDの使用方法、骨折の応急処置を学びました。身近な人の命を身近な物で守れることを知り、将来像に近づいていることを実感して喜びを感じました。これからは街中でAEDを探してみようと思います。
 さらに、呉先生の講義は良い意味で予想を裏切られ、テーマの前提、そしてそこに隠れている交絡因子について解説していただきました。わかりやすく、時には笑いも交えて、時が経つのも忘れるようなとても学びのある時間でした。将来を考える上で良い刺激になりました。
 この機会を生かし、勉強をしっかりと頑張っていくとともに、将来の職業についても学習を深めていきたいと思います。有り難うございました。

このニュースに関するお問い合わせ

学校法人東京医科大学 企画部 広報?社会連携推進室 03-3351-6141(代表)

※中高生の「総合的な学習の時間(総合学習)」のお申込みについてはこちらをご覧ください。

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